マニュアルにとらわれない、
江ノ電バスらしい心の通う接遇力をこれからも高めたい
株式会社江ノ電バス様(神奈川県)
研修センター
加藤昭雄様、山﨑一賢様(取締役 研修センター長)、朝倉京子様
「安全・安心」と「接遇」の関係理解から意識を変える
江ノ電バス様では、安全・安心とお客さま満足の向上に関わるさまざまな取組みに力を入れておられます。同社からHRJにいただいた御依頼は、運転士の皆さんの身だしなみと車内アナウンス改善の研修です。シンプルですが浸透、定着させるには大変難しいテーマです。研修では身だしなみ・車内アナウンスを含めた「接遇」と「安全・安心」の関係を、お客さまの視点で理解することから始めました。
「自分がお客さまだったらどう感じるか?」。普段、業務に集中していると視点を変えるのは難しいものですが、体験談の共有を通して接遇とお客さまが感じる安心・安全は通じているという根本的な理解を深めることで、接遇スキルの吸収もスピードアップしました。「特に印象面や接遇の善し悪しなど自分で気づきにくい点を、他者目線で外部の講師にビシッと指摘を受けることは効果的。なかなか内部ではできないことですね」(加藤様)。
地域・お客さまと共に
江ノ電バス様では毎年「お客さま満足度調査」を行っています。地域に寄り添い、お客さまの日常の移動手段としてなくてはならないバス。特徴的なのは、サービス向上への率直なご意見とともに、運転士の皆さんへの日ごろの感謝や労いの言葉がアンケート用紙にぎっしりと記されていることです。「気持ちのこもったアナウンスで、一日の疲れが癒やされます」「私は90歳になろうとしていますが、一生江ノ電バスにお世話になります」「運転士の皆さん、毎日お疲れ様です」。数々のコメントからは、地域の方々と江ノ電バス様との温もりある信頼関係が伝わります。「お客さまからこんな葉書をいただいたよ!」ある運転士さんは、自分宛に届いた絵手紙の画像をスマホに大切に保存しています。いつもバスを利用される高齢のお客さまが、日ごろの感謝を葉書にしたため、最寄りの営業所宛てに送ってくださったのです。これに刺激を受けた同僚からは「いいなぁ、うらやましい!」「自分だって頑張ってるぞ(笑)!」といった声が挙がっているのだとか。「想いを込めた行動が、お客さまに伝わり喜ばれる。難しく考えるのでなくお客さまとの気持ちの通い合いこそ基本ですね」研修センターの皆様はそのようにおっしゃいます。成果をともに分かち喜び合う「ホスピタリティサービス」の好例と言えるでしょう。